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FXの自動売買ツールで月10万円の利益を出す方法

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目標利回りに対して5~10倍以上の証拠金は用意したい

FXの自動売買で月に10万円稼ぐためには、どのくらいの証拠金が必要になるのでしょうか? 

 

バックテストを利用した計算方法についてご紹介します。

自動売買システム(EA)に必要な資金は利回りによって異なる

月に10万円の利益を狙うには、年間で120万円の利益を出す必要があります。

 

ある投資戦略によって利益を出すために必要な資金は、その戦略の利回りによって異なります。

例えば利回り10%の戦略の場合、年間で120万円の利益を出すには1200万円の資金が必要です。

 

株価指数やETFの平均利回りが5-10%と言われていますので、目標の年間利益に対して10倍以上の資金を準備しておくのが保守的といえます。

 

もちろん、裁量や自動売買ではこれを上回る利益を出せることもありますが、

あまりにも高い利回りを目指した運用は維持するのが難しいことが多く、一時的な成績の上振れや戦略そのものの過剰最適化なども疑われます。

 

自動売買の場合、バックテストの「純益」の金額を年数で割れば、1年あたりの利益の金額を計算できますが、必要な資金やロット数はどのように設定すればよいでしょうか。

 

EAを稼働するために必要な証拠金は、最大ドローダウンに基づいて計算します。

 

最大ドローダウンとは、あるEAを一定期間動かした際に生じる、連続した最も大きな損失の金額です。一般的には、最大ドローダウンの金額が証拠金に対して20〜30%前後になるようにロットを設定することが多いです。

バックテストから想定される利回りを計算する

例として、0.1lot運用、バックテスト上の純益が821,066円、最大ドローダウンが110,811円のEAの想定される利回りを計算してみましょう。

資金100万円でこのEAを動かす場合、最大ドローダウンの金額が資金全体の20〜30%前後(つまり20〜30万円)になるようにロットを調整します。

バックテスト上では0.1lotで取引した場合の最大ドローダウンが110,811円なので、100万円で運用する際は0.2lotで稼働すればちょうど良いと考えられます。

 

このときに得られる純益は、821,066円×2=1,642,132円となり、

これをテスト期間である4年間で割ると、資金100万円、0.2lotで運用した場合の1年あたりの平均リターンは410,533円となり、利回りは41%であるとわかります。

このとき、月10万円、つまり年間120万円の利益を得るために必要な資金は120万円÷0.41=292万円となります。

 

ただし、上記はあくまでもバックテストに基づく計算であり、

実際の運用ではこの想定を下回ったり、マイナスになる可能性がある点に注意してください。

 

くわえて、バックテストの期間が短いものほどドローダウンは小さくなりやすいため、複数のEAを比較する際は計測期間の違いを考慮する必要があります。

 

月ごとではなく半年~1年単位で損益を評価する

EAを動かしていると、マイナスが連続して不安になり、EAを止めてしまった経験のある方も多いはずです。損失がでたとき、どのように対処するべきでしょうか?

EAの損益は月ごとにばらつきがある

多くのEAは、年単位で損益がプラスになるように設計されていますが、月単位ではマイナスとなることも決して少なくありません。

 

一般的な損小利大のトレンドフォロー系の手法の場合、こまめに損切りして大きな利益を狙うため、これは必要な経費と考えましょう。

 

安定した収入が欲しいからといって、極端に勝率の高いEAや、利益に対して損失の金額が大きすぎるリスクリワード比率が悪いEAを選んでしまうと、長い目で見ればかえって損益を悪化させてしまう危険性もあります。

 

EAの損益はあくまでも半年から年単位でとらえるもの、という心構えで自動売買に取り組むことが大切です。稼働停止のタイミングは、最大ドローダウンの金額を参考にしてあらかじめ決めておくと良いでしょう。

マイナスの月があっても稼働を止めない

自動売買の収支がマイナスの月があると、本当に自分が動かしているEAは勝てるのかと不安になってしまう人も多いはずです。

しかし前述のとおり、自動売買の成績というのは月単位ではバラツキがあるものです。

 

EAを稼働したときに、最大でどのくらいの損失が発生するのかは、バックテストの「最大ドローダウン」の数値から確認できます。

現在の損失額がバックテストの最大ドローダウンを超えていなければ、

現在の損失は過去のシミュレーションの想定の範囲内であると判断できるので、稼働を継続する目安となります。

 

自動売買をスタートする前に、あらかじめバックテストから予想されるドローダウンを把握しておいて、

損失が最大ドローダウンを超えるまではむやみにEAの稼働を停止したり、ロットサイズを変更しないようにしましょう。

ツールを利用して月ごとの損益を分析する

『Quant Analyzer』という無料のツールを使えば、バックテストの月ごとの収支を細かく分析することができます。

 

MT4で作成したバックテストを読み込ませることで、月別の収支だけでなく、通常のバックテストでは見られない詳細な情報を分析できます。

「QuantAnalyzerを使ったEAの検証」はこちら

 

先程のバックテストをQuant Analyzerに読み込ませてみると、1年のうちの2〜5か月ほどはマイナスになることがわかりました。

3か月連続でマイナスになっている年があることにも注目してください。

 

EAの稼働をスタートする前に、こうした情報を調べておくことで、事前にどのくらいの頻度でマイナスの月があるか、金額はどのくらいになりそうか把握することが可能です。成績が停滞している期間の長さを稼働停止の目安として利用しても良いでしょう。

 

EAの購入や運用にかかる費用も考慮する

 

自動売買を運用する上で、見落としがちですが重要なコストがVPSの維持費やEAの購入費用です。

とくに少額で運用する場合には、コストを抑えることは大切です。

証拠金に見合ったEAを選ぶ

MT4のEAには、無料のものから高額なものまで、ウェブ上には様々なものが存在します。

 

少しでも性能の高いものを選ぶことはもちろん重要ですが、同時に、EAの購入費用が運用資金を圧迫しないように注意が必要です。

 

とりわけ運用資金が少ない場合には、1本数万円のEAを複数購入してしまうと、それだけで運用資金の1〜2割を使ってしまうことにもなりかねません。

 

FXの自動売買は一般的な株価指数やETFよりも高い利回りが見込める場合もありますが、だからといって資金の10%以上をEAの購入費に充てるのは得策とはいえないでしょう。

 

有料のEAを購入する場合には、自分の資金額に対してEAの代金が高すぎないかを十分検討する必要があります。無料あるいは比較的安く使えるものも存在しますので、根気強く探してみましょう。

VPSのプランは定期的に見直す

 

EAを安定して運用するうえで、VPSは欠かせないものですが、毎月費用がかかるものなので利益を圧迫しないように定期的な見直しは必要です。

 

複数のMT4を同時に立ち上げない場合には、必要なVPSのプランは安価なものでも十分です。

 

メモリを圧迫しないようにコンピューターやMT4の設定は必要最低限にして、つねにスムーズに動作する環境を確保しておきましょう。

 

 

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執筆者紹介

FX情報誌『外国為替』編集長

鹿内 武蔵

FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役
FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役

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