MT4でのトレンドラインの引き方と効果的な活用方法
公開日:
CONTENTS目次閉じる
- 1. トレンドラインとは?上昇トレンドと下落トレンドの2種類が存在
- 2. トレンドラインの役割について
- - ①トレンドの視覚化
- - ②支持線と抵抗線として機能
- 3. トレンドラインの人気がある理由
- - ①直感的で分かりやすい
- - ②取引に使いやすい(支持線での逆張り、ブレイクでの順張りなど)
- 4. MT4でトレンドラインを引く方法
- - 画面の端まで線が伸びるMT4のトレンドラインの欠点を修正する方法
- 5. 効果的なトレンドラインの引き方
- - ①多くの高値と安値を結ぶ
- - ②極端な角度の線は引かない
- 6. トレンドライン利用の注意点
- - ①絶対的な指標ではない(だましの発生)
- - ②人により引き方が異なることがある
- - ③大型指標発生時などは効きにくい
- 7. MT4でトレンドラインを引いて相場把握と取引に役立てよう
トレンドラインとは?上昇トレンドと下落トレンドの2種類が存在
トレンドラインは、FXなどで価格の方向性を分析するためにチャート上に描かれる直線です。
主に「上昇トレンドライン」と「下降トレンドライン」の2種類があります。
・上昇トレンドライン→チャートの安値同士を結び、右肩上がりの直線により価格が上昇傾向にあることを示す
・下降トレンドライン→チャートの高値同士を結び、右肩下がりの直線により価格が下降傾向にあることを示す
トレンドラインは、2つ以上の高値または安値をつなぐ直線(斜線)です。
つなぐ高値や安値の数が多いトレンドラインは、より信頼性が高いとされます。
トレンドラインの役割について
トレンドラインには、大きく分けて以下の2つの役割があるとされています。
- トレンドの視覚化
- 支持線と抵抗線として機能
それぞれ解説します。
①トレンドの視覚化
トレンドラインを引くことで、価格が進んでいる方向が一目瞭然となります。
高値の切り上げや安値の切り下げなどの言葉で説明せずとも、チャートのトレンドラインで相場が進む方向が視覚化され、誰でも明確に相場の方向=トレンドが把握可能です。
②支持線と抵抗線として機能
トレンドラインは単に相場の方向を示すのみならず、ライン自体が価格の反転ポイント(支持線・抵抗線)として機能することもあります。
例えば、価格がトレンドラインに達したらトレンド方向への相場の反転を期待して取引するなど、トレンドラインを根拠とする取引もできます。
トレンドラインは相場の方向を示す分析ツールとして利用されるだけではなく、実際の取引用ツールとしても活用可能です。
トレンドラインの人気がある理由
トレンドラインは多くのトレーダーから支持されているツールです。トレンドラインが支持される理由は、主に以下の2点となります。
- 直感的で分かりやすい
- 取引に使いやすい(サポレジでの逆張り、ブレイクでの順張りなど)
それぞれ解説します。
①直感的で分かりやすい
有効なトレンドラインを引くことができれば、それだけで相場の方向に加えて、相場が反転しやすい場所が把握できます。
有効的に機能するトレンドラインを引くには経験も必要ですが、トレンドラインは直感的に分かりやすいという大きな利点があります。
②取引に使いやすい(支持線での逆張り、ブレイクでの順張りなど)
FXには様々な取引手法があります。MACD、RSIなどのテクニカル指標を利用する取引手法が知られていますが、ラインを引いて取引するライントレードも多くの方が取り組む取引手法です。
有効なトレンドラインは1本だけでトレンドの方向が分かるのみならず、支持線での逆張り・ラインブレイクでの順張りなど取引の根拠としても利用可能です。
トレンドラインに沿ってトレンド方向に取引すれば、高い勝率での取引が期待できるなど、実際の取引に使える特徴があります。
以下の画像は下落のトレンドラインで、抵抗帯として機能していますが、最後はラインブレイクで上昇に転じています。
MT4でトレンドラインを引く方法
それではどのようにトレンドラインを引けばよいのでしょうか?
MT4でトレンドラインを引く方法を解説します。
MT4のトレンドラインの描画ツールは、ツールバーの中にあります。
下記の□部分を左クリックして、指定したい高値や安値の部分で再度左クリックし、伸ばしたい方向にマウスを移動させるとトレンドラインの描画が可能です。
画面の端まで線が伸びるMT4のトレンドラインの欠点を修正する方法
MT4のデフォルト状態のトレンドラインは、画面の端まで線が伸びます。
長期のトレンドを見る場合を除き、画面の端までのラインは必要ないケースがほとんどです。
MT4のデフォルト状態のトレンドラインは、線が端まで伸びて使いにくい・見にくい、という欠点があります。
しかしトレンドラインを描画後、トレンドラインを左ダブルクリック→右クリックすると現れる「Trenlineのプロパティ」を選択→「パラメーター」タグの中にある、「ラインを延長」のチェックマークを外すと、トレンドラインが画面の端まで伸びる設定は解除されます。
「Trendlineプロパティ」を選択します。
「パラメーター」タグの「ラインを延長」のチェックマークを外す(デフォルト状態はチェックマークあり)と、トレンドラインが短くなります。
MT4でトレンドラインを利用する際は、上記により「ラインの延長」を解除することで使いやすくなります。
効果的なトレンドラインの引き方
MT4でトレンドラインを引く方法は上述の通りですが、効果的なトレンドラインはどのように引けばよいのでしょうか?
効果的なトレンドラインを引くポイントとしては、以下の2点をあげることができます。
- 多くの高値と安値を結ぶ
- 極端な角度の線は引かない
それぞれ解説します。
①多くの高値と安値を結ぶ
トレンドラインは2つ以上の高値と安値を結ぶのが通常です。
高値と安値を2つ取って線を引くのは簡単ですが、闇雲にトレンドラインを引いても相場が反応しないラインが描画されるだけです。
チャートの拡大や時間軸を長くするなど広い視点でチャートを見て、3つ以上の高値と安値が取れるトレンドラインを引くことで、相場が反応しやすい効果的なトレンドラインが引ける可能性は高まります。
上の画像のように、複数の高値で作られた下落のトレンドラインは機能しやすいです。
②極端な角度の線は引かない
急騰時や急落時に引けるトレンドラインは早期に破られる傾向があります。
トレンドラインは高値と安値の切り上げによる上昇トレンド、切り下げによる下落トレンドを捉えるのに有効ですが、急速に進んだ値動きは急送に戻すリスクがあります。
画像のような極端な角度(鋭角)のトレンドラインは一時的に機能する場面はあっても、有効に機能する期間は短いため、鋭角のトレンドラインは避けるのがおすすめです。
トレンドライン利用の注意点
相場に絶対的な正解はないのと同様に、トレンドラインにも絶対の正解はありません。トレンドライン利用時の注意点を以下に3点取り上げました。
- 絶対的な指標ではない(だましの発生)
- 人により引き方が異なることがある
- 大型指標発生時などは効きにくい
それぞれ解説します。
①絶対的な指標ではない(だましの発生)
テクニカル指標には、本来反応するはずの場面で反応しないなどの“だまし”が付きものです。
“だまし”の発生はトレンドラインも同様です。
過去に何度も反応したトレンドラインでも、ある時から反応しないことがあります。
上の画像では下落トレンドラインを上方ブレイクしたものの、再度反落しています。
トレンドラインも絶対的な指標ではないため、ポジションを持っている時にだましが発生した場合は、損切りするなどしてフラットな視点で相場を見られる状態としましょう、
②人により引き方が異なることがある
トレンドラインは高値と安値が2つ以上あれば引くことができます。
基点の選択は自由度が高いため、同じチャートを見ている人でも、異なるトレンドラインを引くケースは少なくありません。
例えば、画像では上昇のトレンドラインと下落のトレンドラインを引いています。
1つのチャートに複数のトレンドラインが引けるため、判断を迷いやすいデメリットもあります。
上述①で述べたようにトレンドラインは絶対的な指標ではありません。このため完全な正解はなく、トレンドラインの引き方は人それぞれ、という点は理解が必要です。
③大型指標発生時などは効きにくい
為替市場は米雇用統計などの大型指標の発表時に、短時間で大きな値動きが生じます。
短期的な値動きが生じると、過去反応していたトレンドラインでもあっさりと突破するケースが少なくありません。
大型指標の発表時にトレンドラインは効きにくい傾向があり、特に短期足チャートの場合はその傾向が強まるので注意が必要です。
MT4でトレンドラインを引いて相場把握と取引に役立てよう
様々な引き方のあるトレンドラインですが、多くの高値と安値を合わせることで有効なトレンドラインが引ける可能性は高まります。
相場が反応する有効なトレンドラインを引くことができれば、相場状況の把握に加えて実際のトレードで役立ちます。
ぜひ、MT4で効果的なトレンドラインを引いて、投資パフォーマンスの向上を目指しましょう。
執筆者紹介

注意・免責事項
- ・記載の内容は個人の見解に基づくものであり、実際の投資にあたっては、お客様ご自身の責任と判断においてお願いいたします。
- ・本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。
- ・また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。
- ・なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
- ・各レポートに記載の内容は、GMOインターネット株式会社の事前の同意なく、全体または一部を複製、配布を行わないようお願いいたします。