ダウ理論のトレンド分析に今すぐ使えるMT4インジケーター3選と注意点
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ダウ理論の「波」が見やすくなるMT4の無料インジケーター3選
ダウ理論を用いて相場の「波」を分析するケースは多いと思います。MT4ではそのために有用なインジケーターが用意されているので、ここでは無料で利用できるインジケーターを3つ厳選して紹介します。
有料のインジケーターもありますが、無料のものでも十分ダウ理論の分析に活用できます。
ZigZag
MT4に標準装備されているインジケーターです。「挿入」⇒「インディケータ」⇒「カスタム」の順に選択していくと、「ZigZag」という項目があります。
標準装備ということで特に何もインストールしなくても今すぐ使えて便利です。
「ZigZag」の表示設定で線を太くすると、直近の高値と安値が切り上がっているのか、切り下げているのかが見やすくなります。

ZigZag Break
ダウ理論の分析をしやすくするために高値と安値を結ぶジグザグ線を引くことができるインジケーターです。
それに加えて、この「ZigZag Break」は、最高値と最安値の節目同士を別のジグザグ線で結び、その線をクリックすると両値の間にフィボナッチ・リトレースメントを描画することができます。

これにより相場の転換点になりやすいレートの分析をしやすくなります。
ZigZag Breakは、以下のサイトから無料でダウンロードすることができます。
https://www.fxnav.net/mt4navi/zigzag_break/
なお、MT4にインジケーターを組み込む方法については、次章で解説します。
Dow Histogram
MT4やその後継ソフトであるMT5対応のインジケーターやEA(エキスパートアドバイザー=自動売買プログラム)をダウンロードできるコミュニティサイト「MQLマーケット」でも、ダウ理論の分析支援ツールを入手できます。
ここで紹介する「Dow Histogram」は、上昇トレンド、下降トレンドそれぞれに色をつけてトレンド発生を可視化して知らせてくれます。

他のインジケーターとは若干価値観が異なり、トレンドの有無と方向を下部の色で示しています。
初期設定では赤色が上昇トレンド、緑色が下降トレンドです。
Dow Histogramは、以下のMQLマーケットからダウンロード可能です。初回はユーザー登録が必要ですが、無料で今すぐ登録できます。
このサイトからは、赤い囲みを入れたダウンロードボタンを押すだけで自動的にインストールされます。

MT4にカスタムインジケーターを追加する手順
先ほど紹介した「ZigZag Break」をはじめ、ほとんどのカスタムインジケーターを組み込む際には、手動による操作が必要です。
ここでは、ネットで入手したインジケーターをMT4に組み込む方法を解説します。
インストールしたいインジケーターを用意する
インストールしたいインジケーターをネット上からダウンロードして、任意の場所に保存します。
拡張子が「.ex4」となっているファイルがMT4のインジケーターなので、拡張子も確認しておきましょう。
MT4にインストールする
MT4で「ファイル」⇒「データフォルダを開く」の順にクリックしてデータフォルダを開きます。

その中にある「MQL4」⇒「Indicators」の順にフォルダを開き、そこにダウンロードしたインジケーター(.ex4ファイル)を保存します。
保存できると、以下のようにファイルが追加されます。

インジケーターファイルの追加ができたら、MT4を再起動するか、「ナビゲーター」ウインドウ内を右クリックして更新を選択します。

下記のように、追加したインジケーターが表示されていれば、インストール完了です。

FXトレードに役立つダウ理論をおさらい
MT4でダウ理論による相場分析をするのに便利なインジケーターやインストール方法を解説しましたが、ここでは「そもそもダル理論ってなに?」という疑問にお答えしたいと思います。
ダウ理論を理解するとFXのトレンド分析に役立つので、ここでしっかりおさらいしておきましょう。
もともとは株価指数の分析理論
ダウ理論はもともと、米国の株価指数を分析するために考案された理論体系です。
「平均株価はすべての事象を織り込む」という前提に立ち、平均値を見るとすべての事象の動向が分かると定義しています。
この前提に立った上で、ダウ理論にはトレンドの有無や方向を分析する手法が含まれており、これがFXに応用できるとされています。
ダウ理論によるトレンドの確認方法
ダウ理論によるトレンドの確認方法は、以下のとおりです。
・連続する高値が直前の高値と安値を超えている限り上昇トレンド継続
そして、この逆(下降トレンド)にも同じことがいえます。
・連続する高値が直前の高値と安値を下回っている限り下降トレンド継続
それでは、実際のチャートで見てみましょう。

黄色の丸印を見ると、直前の高値を切り下げています。そして同時に、青色の丸印も直前の安値を切り下げ続けています。
この条件が成立しているので、これはダウ理論では下降トレンドと判断できます。
3段階あるトレンド
ダウ理論のトレンドには、3つの段階があります。
上昇トレンドの場合は、第1段階はトレンドの発生を最も早く察知した投資家が買い始めます。
そして上昇し始めると多くの投資家から注目されるようになり本格的な上昇が始まります。
第3段階では最初に買った投資家が利益確定の売りを入れ始めるためトレンドが弱まり、やがて終息、転換します。
下降トレンドの場合は、これがすべて逆になります。
こちらについても、チャートを見てみましょう。先ほどの下降トレンドの例で挙げたドル円の日足チャートです。

もう少しチャートの範囲を広げてみると、先ほどの下降トレンドが終わったあとは強い上昇トレンドが発生しているのが分かります。
ダウ理論による分析では第3段階のトレンドが終了し、次は上昇に転じたと解釈できます。
転換しない限りトレンドは継続する
直前の高値もしくは安値を超えている限り、ダウ理論ではトレンド継続と解釈します。
逆に直前の高値もしくは安値を超えなくなるとトレンド終了となり、そこからはトレンドの転換が起きる可能性があるとして、逆張りを検討できます。
ダウ理論を相場分析に利用する際の注意点
ダウ理論をFXの相場分析に利用する際に注意したい点をまとめました。
この2つをしっかり踏まえた上でダウ理論を活用すれば、FXトレードの精度向上につながります。
そもそも短期トレード向きではない
ダウ理論は、株価指数の中長期のトレンドを分析するために考案されました。
そもそもFXの短期トレードのために考案されたものではないため、短期派から見るとダウ理論によるトレンドの示唆や売買シグナルは遅く感じられると思います。
このことを踏まえて、ダウ理論だけではなくオシレーター系のテクニカルインジケーターと併用して相場分析をすることをおすすめします。
これにより相場分析の精度が向上し、ダマシを回避しやすくなります。
レンジ主体のFXには通用しない局面がある
ダウ理論はトレンドを察知し、それが継続しているかどうかを判断することには適しているのですが、レンジを形成している相場になるとダウ理論だけでは説明できない相場展開もあります。
FXでは中長期的に見るとレンジ相場になることが多く、ダウ理論によるトレンド分析に適していない相場展開が多いことを留意しておく必要があります。
トレンドが示現しておらず、レンジ相場になっていると判断できる局面では、ダウ理論による相場分析よりも他の手法を用いたほうが確実性が高いでしょう。
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