MT4はタブレットでどこまで使える?
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タブレットでMT4を動かす流れ
近年は取引のデジタル化が進み、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンでもFX取引ができる環境が整っています。
その中でも、多くのトレーダー御用達の取引プラットフォームMT4(MetaTrader 4)は、タブレットでも利用可能です。
タブレット端末を使ってMT4で取引する方法はいくつかあります。
公式アプリを使う
最も手軽な方法は、iOS(iPad)やAndroid向けに提供されている公式のMT4アプリを利用することです。
多くのFX会社が自社のMT4アプリをApp StoreやGoogle Playで無料配布しており、タブレットにインストールするだけで取引を始められます。
アプリをダウンロードしたら、FX会社の口座情報でログインするだけで、すぐにチャート分析や取引が可能です。
事前に複雑な設定をする必要がないため、初心者でも簡単に使い始められる点が魅力です。
公式アプリには、PC版に匹敵する基本機能が備わっています。例えば、成行注文、指値注文、逆指値注文といった基本的な注文形式に加え、IFD注文やOCO注文といった高度な注文方法にも対応しています。
さらに、リアルタイムで価格変動を確認できるチャート機能や、移動平均線やRSIなどの主要なテクニカル指標も利用可能です。
ただし、アプリのバージョンやFX会社によって一部機能が制限される場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
WebTraderを利用する
アプリをインストールしたくない場合やストレージ容量を節約したい場合には、MT4のブラウザ版が便利です。
ブラウザ版MT4はインターネットに接続できる環境さえあれば、タブレットのブラウザ(SafariやChromeなど)を通じてアクセスできます。
ログイン後すぐに取引画面が表示されるため、アプリのインストールやアップデートの手間が省けるのが大きなメリットです。
ブラウザ版MT4の特徴として、デバイスに依存せず使える点が挙げられます。例えば、タブレットのOSが古くて最新アプリに対応していない場合でも、ブラウザさえ動けば取引が可能です。
ただし、動作速度はインターネット回線の品質に左右されるため、Wi-Fiやモバイルデータが安定している環境での利用が推奨されます。
VPSを利用する
より高度な使い方を求めるトレーダーには、VPS(仮想専用サーバー)を活用する方法があります。
VPSとは、クラウド上で動作する仮想のPCのようなもので、ここにPC版MT4をインストールし、タブレットからリモート接続して操作します。
これにより、タブレットでもEA(自動売買システム)やカスタムインジケーターといったPC版特有の機能を利用できるようになります。
VPSを利用するには、まずFX会社や外部サービスが提供するVPSを契約し、MT4をインストールします。
次に、タブレットにリモートデスクトップアプリを入れ、VPSに接続します。設定が完了すれば、タブレットからPC版MT4のフル機能にアクセス可能です。
VPSの最大の利点は、タブレットの電源を切ってもサーバー上でMT4が24時間稼働し続ける点です。
これにより、EAを常時運用したいトレーダーにとって非常に便利な選択肢となります。
ただし、VPSには月額費用(数千円程度)がかかる場合が多く、初期設定に多少の知識が必要なため、初心者にはハードルが高いかもしれません。
タブレット版MT4のメリット
タブレット版MT4は、パソコン版とは異なるいくつかのメリットがあります。
どこでも取引可能
タブレットの最大の魅力は、場所を選ばずに取引できる点です。
Wi-Fiやモバイルデータ通信を利用すれば、自宅はもちろん、カフェ、空港、旅行先、通勤中など、どこにいても相場の動きをチェックし、トレードを実行できます。
例えば、通勤電車の中で急な相場変動が起きた場合、タブレットを取り出して即座にポジションを調整するといった柔軟な対応も可能です。トレードチャンスを逃さず、市場に常時アクセスできる環境が整います。
スマホよりも画面が大きく、操作しやすい
スマートフォン版MT4は手軽ですが、画面サイズが小さいため、チャートの細かい動きを確認したり、複数の指標を同時に表示するのが難しいことがあります。
一方、タブレットは10インチ前後の画面を備えており、ローソク足の形状やトレンドラインを正確に把握するのに適しています。
上の画像は左がスマートフォン版MT4、右がタブレット版MT4(iPad)です。
複数の通貨ペアのチャートを並べて表示したり、インジケーターを重ねて分析したりする場合、タブレットの方が格段に見やすいです。
また、タブレットの画面サイズはノートPCに近い一方で重量が軽いため、長時間手に持っていても疲れにくいのもポイントです。
これにより、外出先での長時間のチャート分析にも快適に対応できます。
タッチ操作が直感的
タブレットならではの直感的なタッチ操作も大きなメリットです。
PCではマウスやキーボードを使うのが一般的ですが、タブレットでは指でチャートをズームイン・ズームアウトしたり、トレンドラインを直接描画したりできます。
スワイプで時間軸を切り替えたり、ピンチ操作でチャートの拡大縮小を行ったりできるため、直感的でスピーディーな操作が可能です。
特に、短期トレードやスキャルピングを行うトレーダーにとって、この迅速な操作性は大きな武器になります。
注文画面へのアクセスもワンタッチで済むため、急な値動きにも即座に対応できる点が評価されています。
タブレット版MT4のデメリット
一方で、タブレット版MT4には制約もあります。
EA(自動売買)やカスタムインジケーターが使えない
タブレット版MT4では、EAやカスタムインジケーターが利用できません。
PC版ではMQL4言語で自作したプログラムを追加し、独自のトレード戦略を自動化できますが、タブレット版にはそこまでの機能はありません。
自動売買やカスタムインジケーターを使いたい人は前述のVPSを利用するか、PC版を併用する必要があります。
詳細なテクニカル分析が難しい
PC版MT4では、複数のモニターを使ってチャートを広げたり、ニュースフィードと並行してチャートを確認したりするなど、柔軟な画面構成が可能です。
一方で、タブレットは1画面に限定されるため、情報量がどうしても制限されます。
例えば、4つの通貨ペアを同時に監視しながら経済指標をチェックするようなマルチタスクは、タブレットでは困難です。
また、PC版ほどのカスタマイズ性がないのもネックです。こだわりの分析を求めるトレーダーには不向きかもしれません。
タブレットでのMT4活用法
PCとタブレットで役割分担
タブレット単体では高度な分析や自動売買が難しいため、PCと組み合わせるのが効果的です。
例えば、PCでじっくりとテクニカル分析を行い、エントリーポイントを決めた後、タブレットで実際の注文やポジション管理を行うという役割分担が考えられます。
また、PCで取引を開始し、外出先でタブレットを使って状況を確認・調整するといった使い方も効率的です。
これにより、PCの強み(分析力)とタブレットの強み(機動力)を両立できます。
外出先でのトレード
タブレットは持ち運びが容易で、取り出せば立ったままでも使用できる手軽さがあるため、旅行や出張中でも市場監視に最適です。
例えば、空港のラウンジでコーヒーを飲みながらチャートをチェックしたり、出張先のホテルの部屋でトレードをする際に便利です。
また、スマートフォンよりも画面が大きく見やすいため、外出先でもストレスなく取引が可能です。
特に、経済指標発表時など重要なタイミングを逃したくない場合に重宝します。
VPSを利用してPC版MT4を動かす
EAやカスタムインジケーターを使いたい場合、VPSを活用するのが最善の方法です。
VPSにMT4をインストールし、タブレットからリモート接続することで、PC版の機能をフルに引き出せます。
自動売買プログラムをVPS上で24時間稼働させつつ、タブレットで状況をモニタリングするスタイルも可能です。
ネット環境が不安定な場所でも、VPS側で取引が継続するため、途切れにくいのも利点です。
さらに、VPSを利用すれば、タブレットのスペックに依存せずに安定した取引環境を構築できます。
例えば、ハイスペックなサーバーを選べば、複数のEAを同時に動かしたり、動作が重いインジケーターを使っても快適に動作します。
これにより、タブレットの限界を超えたトレードが可能になります。
VPSについてより詳しく知りたい場合はこちらもご参照ください。
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