FXの自動売買にはどんな種類がある?主なタイプを分類してご紹介
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FXの自動売買の種類とは?
証券会社が提供する無料のリピート系売買システム
自動売買といえば、リピート系取引をイメージする人も多いかもしれません。
証券会社がそれぞれ独自に無料で提供しているため、手軽にスタートしやすいのが大きな魅力です。
リピート系取引とは、相場の方向感を予想して売買するのではなく、一定の値幅で機械的に売買を繰り返して利益を狙う戦略です。
通貨ペアや値幅のとり方はシステムによって異なりますが、レンジ相場に強くパフォーマンスの個人差が少ないメリットがあります。
ただし、強いトレンドが発生して一方的な値動きとなった場合には大きな損失となる危険性がある点には注意が必要です。
スプレッドも裁量と比較して不利な傾向があります。事前に損切りの有無や、最大損失額をしっかり確認した上でスタートすることが大切です。
優秀な戦略を選んでそのまま使えるミラートレード
ミラートレードはコピートレードとも呼ばれる、あらかじめ準備された売買戦略から自分の好きなものを選んで運用できるシステムのことです。
リピート系取引と同様、証券会社が無料で提供していますが、トレード戦略を自分で決めて運用する点が大きな違いです。
リピート系取引がレンジ相場に強くトレンド相場に弱いのに対して、ミラートレードではトレンド相場に強い戦略を選んだり、複数の戦略を組み合わせて安定して利益を出せるポートフォリオを組むことができるのが長所です。
自由度が高い分、自分で優れた戦略を見極める必要があるという点では中級者〜上級者向きのサービスといえます。
あくまでも証券会社が提供する戦略の中からしか選べないため、市販の戦略を組み合わせて運用する場合と比べると運用の幅は限られます。
独自に開発された売買戦略やアルゴリズムを運用する
個人や企業がオリジナルで開発した、売買戦略がこれに該当します。なかでも、メタトレーダー(MT4またはMT5)を利用したものをEA(Expert Advisor)と呼びます。
個人でも自動売買を手軽に開発・運用できるため、多くのEAがウェブ上で販売されています。
EAを利用した自動売買は、証券会社が提供するものとは異なり、MT4やMT5に対応する証券口座を利用して自分で設定する必要があるため、トレードや自動売買の初心者にとっては少し敷居が高いと感じられるかもしれません。
しかし、戦略の種類は非常に豊富であり、運用する証券会社も自由に選択できるため、運用の自由度と難易度は最も高いといえます。
優れたソフトを見極めて使いこなすことができれば、高いパフォーマンスを得られるかもしれません。
EA(自動売買)の種類【4つの違いを解説】
MT4やMT5を使ったEAにはどのような種類があるのでしょうか。
主な種類と特徴をわかりやすく解説していきます。
通貨ペアと時間足の違い
FXには様々な通貨ペアがありますが、まずはドル円(USD/JPY)やユーロドル(EUR/USD)のようなメジャーな通貨ペアを取引するのがおすすめです。
これらの通貨ペアは値動きが比較的安定しており、どの証券会社でもスプレッドが比較的狭いためです。
時間足はメジャーな通貨ペアであれば短期足であっても問題ありませんが、よりスプレッドやスリッページなどの影響を受けやすくなります。
証券会社によってパフォーマンスが変わりやすいため、扱いはやや難しくなります。
ポジション数の違い
エントリーや決済が同じでも、複数ポジションを持つかどうかでパフォーマンスや必要な証拠金は異なります。
ロット設定にも影響する重要な要素なので、自分の使うEAが買い増しや売り増しをするのかは事前に確認しましょう。
複数ポジションを保有する場合にポイントとなるのは、ナンピンするかどうかと、ロットサイズに変化があるかどうかです。
ナンピンとは、最初に持ったポジションが含み損となったときに追加で同じ方向にポジションを持つことをいいます。
1ポジション単独で売買する場合と比べてリスクが高くなりやすいため注意が必要です。
買い増し、売り増しの際にロットサイズに変化があるかも注目します。
なかでも、ロットサイズを増やしていくマーチンゲール法を利用したトレードは、ナンピンと同様高いリスクをはらんでいるため運用には特に注意が必要です。
エントリーと決済のロジックの違い
市販のEAの場合、当然ながら商品によってエントリーや決済のロジックやタイミングは全く異なります。
同じトレンドフォロー系のロジックであっても、利用する時間足やインジケーターによって振る舞いは大きく変わります。
ロジックの詳細は完全に公開されていないことが多いですが、少なくとも、自分の使うEAがトレンドに強い順張り系か、レンジに強い逆張り系なのかは把握しておきたいところ。
エントリーや決済に使うシグナルやインジケーターを理解しておくと、より安心して運用できます。
勝率とリスクリワード比率の違い
勝率は高いほど良さそうに思えますが、実際には利益と損失のバランス(=リスクリワード比率)がEAを評価するうえでは重要な要素になります。
どんなに高い勝率であっても、1回の損失で資金全てを失う戦略は扱いが難しく、安定して利益を出すのは困難です。
FXにおける理想的な損失と利益のバランスは一般的に1:2以上と言われることが多いです。
必ずしもこのルールを守る必要はありませんが、リスクとリワードの比率が極端すぎるものは結果のばらつきが大きく運用が難しいため避けましょう。
それでは、こうした要素を踏まえた上で具体的にどのような種類や戦略のEAがあるのかを具体的に見ていきましょう。
EA選びで役立つ!主な売買戦略の分類
①トレンドフォロー型
トレンドフォローは株式やFXにおける王道のトレード戦略です。
相場では、時として非常に強いトレンドが出現します。
1回の取引で大きな値幅を狙えるため、小さなリスクで大きなリターンを得られる、理想的な損小利大のトレードが実現できます。
順張り方向にトレードするため、上昇や下落が明確なトレンド相場を得意とする一方で、ボラティリティが低かったり方向感のないレンジ相場は苦手です。
思うように値幅が出ない場面では、損切りが連続します。逆張りタイプと比べて勝率は低くなりやすいため、不調期では多少の損失は覚悟しましょう。
エントリーには、移動平均線のクロスやブレイクアウトのような価格が上昇してきたところを買う「短期順張り」タイプと、長期のトレンド方向で上昇を確認しつつも短期では価格が下落したところを取引する「押し目買い」タイプがあります。
②逆張り型
逆張りはトレードにおいて悪手とされることが多いですが、反転しやすいタイミングを狙ってエントリーすることで利益を出せる場面も存在します。
株式とは異なり、FXは長期ではレンジとなることが多いため、トレンドフォロー戦略と併用してどのような局面でも安定した利益を狙えます。
上昇したところを売り、下落したところを買うため、価格が一定の範囲内で推移するレンジ相場を最も得意とします。
反対に、価格が一方向に大きく動くトレンド相場では損失となりやすいです。勝率は高いものの、小さく勝って大きく負ける「コツコツドカン」タイプのEAが多いため、リスク管理には注意が必要です。
エントリーには、RSIやストキャスティクスのようなオシレーターを利用して高値圏や安値圏を判断して逆張りするものが多いです。
後述するアノマリーと組み合わせて、価格が動きにくいアジア・オセアニア時間を狙って取引するタイプも存在します。トレンドフォロー型と比較して、長期足よりも短期足が得意な傾向があります。
③アノマリー
アノマリーとは「変異」を意味する単語で、理論的には説明できないものの、経験則的に正しい過去の値動きのことです。
より具体的には、ある通貨ペアの特定の日付や時間帯に起こる値動きをとらえます。
FXにおける、もっとも有名なアノマリーはドル円の「仲値」を狙ったトレードです。
仲値とは銀行間で取引する価格のことで、日本時間の午前9時55分の為替レートが参照されます。
とりわけゴトー日と呼ばれる5日、10日、15日、20日、25日、30日は仲値の時間帯に上昇しやすいと言われています。
その他にも、ロンドン・フィックスとよばれるロンドン時間の仲値を狙って取引したり、月末にかけての特殊な値動きをとらえる方法などがあります。
アノマリーを利用したEAを利用する際は、事前にコンセプトや特徴を理解しておきましょう。
④ナンピン・グリッドトレード
すでにリピート系取引でも紹介した、一定の値幅を狙って機械的に売買を繰り返す手法です。
証券会社が独自に提供するサービスとは異なり、値幅や損切りの有無、ポジション数などのバリエーションが豊富で自分にあったものを探せます。
長所と短所はリピート系売買と同様で、レンジ相場では安定して利益を出せますが、強いトレンドでは大きな含み損や強制ロスカットを誘発する危険性があります。
事前にリスクの大きさや想定する値幅を必ず確認しましょう。
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