おすすめのFX自動売買、現役投資家が実体験を交えて大胆に厳選

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現役投資家に聞いたおすすめのFX自動売買3選

FX自動売買ってどうなの?おすすめはあるの?という疑問を、筆者 が一緒に仕事をしているライター兼現役の個人投資家にぶつけてみました。

FXの自動売買以外にも幅広く投資をしている投資家でもあるので知識と経験は豊富、運用経験も長いので信頼度は十分です。

 

その現役投資家がおすすめする、FX自動売買3選を紹介します。

これらはいずれもリピート系と呼ばれるジャンルの自動売買ですが、証券会社によってサービス内容には違いがあります。

マネースクエア「トラリピ」

リピート系自動売買の老舗ともいえる、マネースクエアの自動売買サービスです。

ちなみに、トラリピの「リピ」はリピートのこと。同社はリピート系自動売買の特許も取得 しており、日本のFX自動売買ではパイオニア的な存在です。

 

トラリピと呼ばれる自動売買を視覚的な操作で仕掛けられることや、修正が容易であることなど、初心者もあまり抵抗を感じない設計になっているのが特徴です。

おすすめの自動売買戦略やマーケット情報の配信などにも力を入れており、投資家に対する面倒見がいいというのが、現役投資家の意見です。

インヴァスト証券「トライオート」

インヴァスト証券が提供しているトライオートは、FXだけでなくETF(上場している投資信託)の自動売買も可能です。

 

大きな特徴は、「セレクト」と「ビルダー」という2つの機能です。

すでに稼働している自動売買プログラムのなかから成績が優秀なものを選ぶだけで始められる「セレクト」は初心者が不利になりにくく、今すぐ自動売買の世界を体験したい人に最適です。

 

そうではなく上記のトラリピのように自分で自動売買の設定を組んで仕掛けたいという人には「ビルダー」も用意されています。

最初は「セレクト」でリピート系自動売買の世界を体験して、慣れてきたら「ビルダー」でより利益を大きくできる自動売買を研究するのが理想的な流れです。

松井証券「MATSUI FX」

上記のトラリピやトライオートと同様のリピート系自動売買サービスですが、最大の特徴は1通貨単位から自動売買ができることです。

トラリピとトライオートはどちらも1,000通貨が最小単位なので、松井証券では超少額の自動売買が可能です。

 

また、FXの自動売買に適した通貨ペアとして人気の高い豪ドルNZドルやユーロポンドなどのスプレッドが狭く、自動売買のコストを抑えやすいのも魅力的です。

リピート系FX自動売買でおすすめの戦略

先ほど紹介したFX自動売買は、いずれもリピート系自動売買です。

まずはこのリピート系自動売買の仕組みや利益が出る仕組みを解説し、おすすめの戦略を紹介したいと思います。


これらはすべて、前出の現役投資家自身も運用しています。

リピート系FX自動売買で利益が出る仕組み

FXにはIFD(イフダン)という注文方法があります。

エントリーと決済の指値注文を最初に入れておいて、エントリー注文が成立したら自動的に決済の指値注文が出される2段階の注文です。

 

リピート系自動売買はこのIFD注文を設定した価格帯に等間隔で並べ、相場の動きに応じてエントリーと決済を繰り返します。

決済したあとも自動売買を止めない限り何度も同じ注文を出し続けるため、「リピート系」と呼ばれています。

 

こちらは、マネースクエア社が提供しているトラリピの解説図です。

 

出典:トラリピって何(マネースクエア) 

 

この図では100円と101円を行ったり来たりすることで何回も利益を出している様子が解説されています。

この場合は分かりやすく1円幅にしていますが、実際のFX自動売買では数十pips間隔で注文を仕掛けて、小刻みにエントリーと利益確定を繰り返します。

 

1回あたりの利益はそれほど大きくはありませんが、自動売買なので放置していても24時間常に相場の変化に合わせて利益をコツコツと積み上げてくれるので、運用する期間が長くなるほど利益は大きくなります。

長期的にレンジ相場を形成している通貨ペアを狙う

リピート系自動売買は、レンジ相場に適した戦略です。

為替相場は長期的に同じレンジ内を行ったり来たりするという回帰性がひとつの特徴なので、リピート系自動売買はその特性をいかそうというわけです。

 

そこで、通貨ペア選びにおいてもレンジ相場を形成している自動売買向きのものを選ぶ必要があります。

現役投資家がおすすめする通貨ペアは、豪ドルNZドル、ユーロポンド、そして米ドルカナダドルの3つです。

 

実はリピート系自動売買を提供している各社もこの3つの通貨ペアを自動売買向きとして推奨 しており、これから始めるのであればこの3つを軸に選びたいところです。

以下、各通貨ペアについて自動売買を仕掛けるのにあたって参考にしたい長期レンジを紹介します。

豪ドルNZドルの長期レンジ

豪ドルとNZドルは隣り合わせの国で経済的な関わりも深く、国旗まで似ている国同士です。

そのため豪ドル、NZドルともに似た値動きになることが多く、そういった通貨同士のペアだけに長期的にレンジを形成しています。

 

 

下は1.00付近から上は1.13付近が長期レンジとなっており、このレンジを半分に分けて下半分に買い、上半分に売りを仕掛ける戦略をとっています。

歴史的に豪ドルをNZドルの価格が上回ったことはないため、特に下の1.00は強いサポートです。

1.00割れが起きる可能性が極めて低いことを考えると、ここで紹介した3つの通貨ペアのなかでも最も自動売買を仕掛けるのに安心感があります。

ユーロポンドの長期レンジ

ユーロとポンドはいずれも欧州の通貨で、地理的にも経済的にも関わりが深い通貨同士です。

それだけにレンジ相場になりやすく、下は0.75付近、上は0.95付近というレンジ相場が続いています。

 

 

2015年から2016年にかけて0.75を下回っている時期がありますが、長期的にはここでしか起きていない現象ということで、0.75から0.95を長期レンジとしてとらえ、上下を半分に分けて下半分には買い、上半分には売りを仕掛ける戦略をとっています。

米ドルカナダドルの長期レンジ

米ドルとカナダドルは同じ北米国の通貨で、長い国境線で接している隣国同士の通貨ペアです。経済的な関わりだけでなく人的な交流も活発ですが、片方の米ドルは世界の基軸通貨ということもあって常に同じように動くとは限らず、ここで紹介している3つの通貨ペアのなかでは最も活発に動く印象があります。

 

米ドルカナダドルの長期レンジを見ると、1.2付近から1.4付近で推移しているのが見て取れます。

 

 

2度ほど1.4を突き抜けている時期がありますが、いずれも一時的な値動きです。

これは考慮しない戦略で、1.2から1.4のレンジを半分に分け、下半分で買い、上半分で売りを仕掛ける戦略で運用しています。

エントリーの値幅は広く、利確は狭く

リピート系自動売買では、自動売買を仕掛ける値幅を狭くすると、その分注文数が多くなります。

つまりそれだけ多くの資金が必要になるため、リスクは高くなります。そのため、最初はエントリーを仕掛ける値幅は広めにとることをおすすめします。

 

そして利益確定の値幅を狭くすることで、小刻みに利益を出せるようになります。

もっと大きく利益を取れる展開があるかもしれませんが、少しの値動きでも利益を確定させるほうがリスクは低くなります。

 

最初はこうした方向性で自動売買を始めてみると、自動売買の世界を理解しやすくなると思います。

1つの通貨ペアで買いと売りの両方を狙う

先ほど紹介した現役投資家の戦略では、一部売りと買いの両方を仕掛けています。

このように1つの通貨ペアで売りと買いの両方を併用するのも有効で、1つの通貨ペアに対して仕掛けるのは1つだけ、とこだわる必要はありません。

 

最も簡単なのは上記で紹介した上下のレンジを半分に分けて下半分を買い、上半分を売りにするハーフ戦略です。

中上級者向け MT4、MT5によるFX自動売買の世界

前半では、FX会社が用意している自動売買サービスについて紹介しました。

しかし、FXの自動売買はこれだけではありません。リピート系以外にもアルゴリズム系など、多彩な方法や戦略があります。

 

後半では中上級者向けに、ちょっとマニアックな自動売買としてMT4やMT5を使った方法について解説します。

自動売買メインのFX投資家の多くが参入している、さらに奥深い世界へとご案内します。

MT4、MT5による自動売買の仕組み

MT4、MT5というのは、Meta Traderというソフトのことです。MT4はMeta Trader 4、MT5はその後継となるMeta Trader 5です。

世界的に普及しているFX取引ツールで、標準装備の機能に加えて、テクニカルインジケーターを追加できることなど高いカスタマイズ性も大きな特徴です。

 

そして、何よりもMT4とMT5の目玉となっているのが、自動売買です。

EA(エキスパートアドバイザー)と呼ばれる自動売買プログラムを導入することによってFXの自動売買が可能で、リピート系だけでなくそれぞれのEAが設定している売買シグナルに応じて自動売買をするものや、特定の時間帯の値動きを狙うものなど、実に多彩です。

 

優秀なEAを導入すれば、MT4やMT5を稼働させておくだけで年利10%や20%、さらにはそれ以上といった高利回りの運用も可能です。

 

2024年時点では依然としてMT4向けのEAが多い状況ですが、MT5は後継ソフトだけあって性能面や操作性などが大幅に向上しています。

それだけに今後はMT5向けのEAも多くリリースされ、やがてMT5への移行が進んでいくと思われます。

MT4、MT5で自動売買を始める方法

MT4やMT5でFX自動売買を始めるために必要なのは、以下の3つです。

  • MT4、MT5に対応しているFX会社の口座
  • MT4、MT5を常時動かすためのVPS
  • 自動売買のためのEA

それでは、順に解説していきましょう。最初に、MT4やMT5に対応しているFX会社の一覧を紹介します。

 

MT4に対応しているFX会社一覧
●      楽天証券(楽天MT4)
●      OANDA証券
●      ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF MT4)
●      外為ファイネスト(MT4・ZERO)
●      FOREX.com(MT4口座)
●      FOREX EXCHANGE(俺のMT4)
●      デューカスコピー
●      アヴァトレード・ジャパン(エキスパートコース)

※2025年7月時点

 

MT5に対応しているFX会社一覧
●      外為ファイネスト
●      OANDA証券
●      フィリップ証券(フィリップMT5)
●      アヴァトレード・ジャパン(プレミアムコース/プロフェッショナルコース)

※2025年7月時点

 

国内のFX会社を主に利用している人にとっては、見慣れない社名が多いかもしれません。

というのも、MT4やMT5に対応しているのは外資系のFX会社が大半で、国内資本の会社は楽天などごく一部です。

 

まず、これらのFX会社で口座を開設することから始めましょう。

 

次に、VPS。これも聞きなれない人がほとんどだと思います。

VPSとは仮想専用サーバーのことで、自宅パソコンでMT4やMT5を稼働させない場合は必要になります。

 

FXは平日の24時間いつでも取引できるため、自動売買も24時間常に稼働させておく必要があります。

自宅でMT4、MT5による自動売買をするにはパソコンを常時稼働させておく必要があり、電気代やセキュリティ面などで非現実的な部分があります。

 

そこで有用なのが、VPSです。

サーバ―ホスティング業者などでFX自動売買のために提供しているVPSプランがあるので、おおむね年間1万円から2万円くらいで借りられます。

MT4、MT5による自動売買で年間数十万円もしくはそれ以上の利益を上げることを考えると安いコストなので、VPSを利用することをおすすめします。

 

最後に、EAです。EAはネット上の販売サイトで売られているので、そこで優秀なEAを探して購入します。

購入したらダウンロードができるようになるので、それをVPS上にインストールしているMT4もしくはMT5に導入すれば準備完了です。

優秀なEAの探し方

EAの優劣は自動売買の成績に直結するので、しっかり精査したいところです。

国内では「Gogo Jungle」などEAの販売サイトがあるので、こうしたサイトで探すのがよいでしょう。

海外にも販売サイトがありますが、基本的には英語なので語学力に自信がある人以外は国内の販売サイトで十分です。

 

販売サイトではバックテストの結果が公開されています。

このEAを過去の相場で稼働させていたとしたらどうなっていたかを示すもので、バックテストが優秀であれば今後も優秀であるとの推測が立ちます。

 

こちらは、「Gogo Jungle」で販売されている「THE AUDCADタイプB」というEAのバックテスト情報です。

 

出典:「THE AUDCAD」タイプB(Gogo Jungle) 

 

このようにEAのバックテスト結果が公開されているので、最初にこの情報をもとにEAの能力をチェックします。

 

そして、EAがリリースされてからの運用状況を示すのが、フォワードテストです。

同じくEA販売サイトで公開されているので、リリース後の運用状況がどうなのかをチェックします。

 

出典:「THE AUDCAD」タイプB(Gogo Jungle) 

 

フォワードテストについては直近の売買結果も見ることができるので、自分がそのEAを稼働させた場合のイメージをつかみやすいでしょう。

 

他にもEAの実力を判断する指標はたくさんあるのですが、バックテスト、フォワードテストとともに見ておきたいのがプロフィットファクターです。

総利益と総損益の比率のことで、プロフィットファクターが高いほど総利益が上回っていることを示します。

 

プロフィットファクターは1.3以上であれば適正、1.5以上であれば優秀とされています。

運用期間が短すぎるEAの場合は短期的に好調なだけかもしれませんが、運用期間が少なくとも1年以上あるEAでプロフィットファクターが1.5以上であれば、利益を出せる可能性が高いEAであると見てよいでしょう。

MT4、MT5の自動売買では海外FX業者に注意

最後に、MT4やMT5の自動売買を始めようと思っている人に注意喚起です。

MT4やMT5に対応している口座やEAなどをネット検索すると、海外FX業者に関連する情報が多くヒットすると思います。

ここでいう海外FX業者とは日本国内に拠点がなく、金融庁への登録もしていない業者のことです。

国内に拠点があって金融庁への登録を済ませている外資系の業者とは似て非なるものなので、注意してください。

先ほど紹介したMT4やMT5に対応しているFX会社はいずれも安心して利用できる登録済みの会社ですが、これ以外の業者を利用しないようにしましょう。

というのも、海外FX業者については出金に応じない、業者が経営破綻したもののお金が戻ってこないといったトラブルが多発しており、金融庁も注意喚起をしている状況です。

MT4やMT5を利用したいと思ってこうした業者を利用してしまうと大切なお金を失うリスクがとても高いので、くれぐれも注意してください。

執筆者紹介

FX情報誌『外国為替』編集長

鹿内 武蔵

FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役
FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役

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