自動売買をやめた方がいいケースとは?タイプ別の“やめ時”と正しいリスク理解

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FXの自動売買は便利な反面、続けるべき局面と、停止を含めた判断が必要な局面が存在します。

リピート系とEAでは「やめ時」の性質も違うため、正しい判断基準を知らないと、誤った停止や過剰反応を招きかねません。

 

本記事では、「本当に自動売買をやめた方がいいケース」と「逆にやめない方がいいケース」を整理しながら、自動売買と長く付き合うための考え方を解説します。

自動売買は「やめる」ことも技術の一つ

自動売買に向き合うとき、多くの人はどうしても「どのEAがよさそうか」「どんな設定で動かすか」といった稼働のさせ方に意識が向きがちです。

ですが、本当に運用成績を左右するのはむしろ逆で、「どのタイミングで止めるべきか」という、いわば撤退の技術のほうも同じくらい重要な要素です。

 

自動売買は万能ではありません。場合によってはやめた方がいいケースがあり、別の局面ではやめてはならないケースもあり、それぞれに理由があります。

この線引きを誤ると、どれだけ優秀なEAも、どれだけ堅実なリピート戦略も、本来の力を発揮できません。

 

以下では、プロの運用者が意識している「やめ時」と「続ける時」の見極め方を、リピート系自動売買とEAの違いも踏まえて整理していきます。

自動売買をやめた方がいいケース

まずは、自動売買を「やめる」「少なくとも一度手を止めた方がいい」と判断したほうがいいケースを4つ紹介します。

① 想定レンジを明確にブレイクしたとき(リピート系自動売買の場合)

リピート系自動売買の本質は「レンジ相場でコツコツ利益を積み上げる仕組み」です。そこに疑いの余地はありません。

しかし、運用が長くなるほど忘れがちなのが、「レンジは永遠には続かない」 という単純な事実です。

 

数年単位で続いてきたレンジ相場でも、突如として大きなトレンド相場に変わることは過去に何度もありました。

この「レンジ崩壊」は、リピート系自動売買の戦略にとって致命傷になり得る局面です。

 

損失(含み損)が大きく膨らんでいくのももちろん問題ですが、より本質的な問題は「ロジックの前提が崩れている」という点にあります。

想定レンジを大きく突き抜けたときにやりがちなのが、運用口座へ追加入金して、「そのうちレンジ内に戻るはずだ」と信じて耐え続ける行為です。

 

確かに、結果的に戻ってくることもあるでしょう。

しかし、長期間続いたレンジをブレイクするような展開は、多くの場合で新しいトレンド相場の始まりでもあります。

戻りを期待して耐え続けるほど含み損は増え、証拠金維持率は削られ、やがて「もう持ちこたえられない」というところで大きな損切りを迫られてしまいます。

 

リピート系自動売買の運用をやめた方がいいのは、「戻る気配が薄いレンジブレイク」が起きているときです。

「いつかは戻るかもしれない」ではなく、「レンジの想定が壊れてしまった」という事実を優先して判断しましょう。

② 苦手とする相場に突入しているとき(EAの場合)

EAにも人間と同じように性格があります。

トレードロジックによって、トレンド相場で輝くEAがあれば、レンジ相場でこそ威力を発揮するEAもあります。

どんなに優秀なEAであっても不得意な相場があり、その局面ではパフォーマンスが落ちていくのはある意味当然なのです。

 

たとえば、こんなイメージです。

 

トレンドフォロー型EA
相場が荒れている展開でダマシに何度も引っかかり損切りが頻出してしまう

レンジブレイク型EA
レンジ相場からブレイクしたと思ったらダマシばかりで損切りを頻発してしまう

このような結果はEAそのものがダメなわけではなく、相場との相性が悪いだけです。

バックテストやフォワードテストから「このEAはこういう相場が苦手だな」という傾向を把握しておけば、苦手な局面では一度稼働を止めて様子を見るという判断も合理的でしょう。

EAを手動で止めるかどうかは、EA運用において大きなテーマなので、興味のある方はさらに深掘りしてみてください。

③ 最大ドローダウンを上回ったとき(共通)

ドローダウンとは、運用中における資産の下落幅(下落率)のことを指します。

なかでも最も深く落ち込んだ箇所を最大ドローダウンといい、EA・リピート系自動売買のどちらにおいても「やめるかどうか」を判断する上で非常に重要な数値です。

 

バックテスト(シミュレーション)で最大ドローダウンが20%だった場合、実運用ではその1.5〜2倍のドローダウンが起きることは決して珍しくありません。

多くのEA開発者や運用者が、「最大DDの1.5倍までは想定範囲」「2倍を超えたら停止を検討」といった目安を口にするのは、このためです。

 

逆に言えば、最大ドローダウン内での下落は「ロジック上、想定の範囲内の負け方」であり、それだけを理由に慌てて止める必要はない、ということでもあります。

「最大ドローダウンを超えた時点でやめるのか」「2倍までは許容するのか」は、EAのロジックの性質、リカバリーファクター(純利益÷最大ドローダウン)、バックテストの期間などの条件によって変わってきます。

 

ただ、最大ドローダウンを大きく超えているにもかかわらず「そのうち戻るだろう」と何も見直さないのは危険です。

ロジックの優位性が損なわれている可能性が高いシグナルと捉え、傷が深くなる前に停止と検証を行うのが無難でしょう。

④ 重要イベントの発表前後(EAの場合)

主要国の政策金利発表や、米国の経済指標(雇用統計・CPIなど)、要人発言といった世界中が注目するイベント前後の値動きは、通常の相場とはまるで別物です。

相場は瞬間的な乱高下を繰り返し、スプレッドは大きく広がり、約定の遅延(スリッページ)が発生します。

 

バックテストではこのような「異常な値動き」やスプレッドの拡大を完全には再現しきれないため、EAにとってはロジックが通用しない局面になりやすいのです。

特に小さな値幅を何度も抜きにいくスキャルピングEAは、スプレッドやスリッページの影響をダイレクトに受けます。

イベント前後にいつもと同じように走らせてしまうと、「バックテストでは出てこない負け方」をしやすくなります。

 

そのため、こうしたEAは重要イベントの前後だけ稼働を停止しておくという運用も有効です。

なかには、外部サイトの経済指標カレンダーを読み込んで、重要度の高い経済指標の発表時間前後のみ自動でトレードを止める仕組みを備えたEAもあります。

逆にやめない方がいいケースもある

ここからは、「むしろやめない方がいい」パターンも見ていきましょう。

 

自動売買、とくにEA運用で成功したいのであれば、ドローダウンに対する恐怖心とどう付き合うかが一つの鍵になってきます。

ちょっとした連敗で「使えないEA」と決めつけるべからず

自動売買でうまくいかない人に共通しているのは、「最悪のタイミングで止めてしまう」ことです。

 

どんなEAでもドローダウンは必ず訪れます。

ところが多くの人はこの「想定の範囲内で起きている損失(あるいは含み損)」に耐えきれず、「このEAはもうダメだ」「使えないEAだ」と判断して、EAを捨ててしまいます。

 

こうした行動を繰り返していると、どんなに優秀なEAでも、バックテストやフォワードテストで示されている本来のパフォーマンスとは程遠い結果になってしまいます。

 

自動売買は、「ドローダウンがあるのが当たり前」という前提のもとで運用する必要があります。

そのうえで、運用開始後に一時的に元本を割り込んだとしても、事前に把握した最大ドローダウンの範囲内であれば粘って見守るというスタンスがとれるかどうかが、運用者としての腕の見せ所です。

裁量取引と自動売買は「どちらか選ぶ」ものではない

裁量取引と自動売買を併用していて、「自動売買はやめた方がいいのか」と悩んでいる人もいるかもしれません。

この場合の答えはシンプルで、「やめた方がいいほど損失が膨らんでおり、今後もその傾向が続きそうかどうか」で決まります。

 

損失が大きく、これ以上は取り戻せる見込みが薄いと冷静に判断できるなら、自動売買をやめるのも妥当でしょう。

一方で、トータルではプラスで推移している、自分の許容範囲内でリスクが収まっているのであれば、裁量と自動売買のどちらかを無理に捨てる必要はありません。

 

裁量取引と自動売買(EA・リピート系自動売買)は、それぞれ異なる強みと弱みを持っています。

どちらか一方に絞るよりも、両者をポートフォリオとして組み合わせた方が、リスク分散や利益の最大化につながりやすいでしょう。

 

たとえば、こんな組み合わせ方が考えられます。

  • 裁量取引:100pips以上を狙ったスイングトレード
  • EA:1日に数回トレード機会のあるデイトレード系EA
  • リピート系自動売買:1年以上の運用を想定した長期トレード

このように時間軸やロジックを分けて役割を持たせることで、「裁量か自動売買か」ではなく、「裁量と自動売買をどう組み合わせるか」という発想にシフトできます。

自動売買選びのコツ

ここまでの流れを踏まえつつ、リピート系自動売買とEAの選び方も簡単に整理しておきます。

どちらが自分に合うかは、資金規模やリスク許容度、運用の目的によって変わってきます。両方の特徴を知ったうえで、自分なりの答えを探してみてください。

リピート系自動売買:長期的な資産運用をしたい人向け

リピート系自動売買では、基本的に最初の設定が勝負どころです。

通貨ペア、想定レンジ、レンジ内で発注する予約注文の値幅、ロットサイズなどを決めたら、あとは相場任せで自動的に売買が繰り返されていきます。

 

求められるチャート分析力は、「週足や月足レベルで見てレンジ相場かどうかを判断できるくらい」が一つの目安です。

さらに、取引する通貨ペアの政治情勢や経済動向といったファンダメンタルズにも、ざっくり目を通しておけると安心です。

 

裁量取引と比べると、ダウ理論や移動平均線を使ってローソク足を細かく読むようなスキルはほとんど求められません。

その意味では、FX初心者でも比較的取り組みやすい自動売買のスタイルといえるでしょう。

 

FX会社のサービス紹介ページにはたとえば「3年間で収益率100% 」のようなシミュレーション結果が並ぶこともありますが、長年リピート系自動売買を運用しているインフルエンサーたちの声を総合すると、現実的に期待できる年利は10〜20%程度に落ち着く、という話もよく聞かれます。

 

一般的な資産運用としてはかなり優秀な部類に入りますが、FX特有のリスクも踏まえたうえで検討しましょう。

EA:自動売買にも様々な選択肢がほしい人向け

EAは、プログラミングされたトレードルールの数だけ存在します。

トレンドフォロー型なのか、レンジブレイク型なのか。スキャルピングなのか、スイングトレードなのか。

1ポジションのみで戦うのか、ナンピンタイプなのか。選択肢は非常に幅広く、そこがEAならではの面白さでもあります。

 

ハイリスクでもいいから資産を一気に増やしたいのであれば、ナンピンマーチン型のEAが候補に入るかもしれませんし、リスクを抑えた長期運用を目指すのであれば、最大ドローダウンの小ささを最優先で選ぶ、という基準も考えられます。

 

選ぶ際は、バックテストやフォワードテストの成績をチェックするのは当たり前の話。

さらに自分の手でテストを行って、額面通りの成績に近いものが出てくるかを調べてからEAを稼働させるかどうか決めましょう。

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執筆者紹介

FX情報誌『外国為替』編集長

鹿内 武蔵

FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役
FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役

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